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ろうLGBTQ+の方たちの声を届ける本『ろうLGBTQ+の世界〜15人が語るライフストーリー』へのご支援を
2023年、東北、関東、九州・中国、沖縄の7つの当事者団体が連携し、孤立しがちなろう者のLGBTQ+を支援し、地域のコミュニティを活性化していくことを目指して「日本ろうLGBTQ+連盟」が設立されました。
代表の野村恒平さんは、福岡での活動を経て、現在は東京を拠点に、プライドハウス東京のスタッフも務めています。野村さんによると、コミュニティセンター「プライドハウス東京レガシー」には約3800冊のライブラリーがありますが、その中でろうLGBTQ+に関する本はわずか6冊しかなく、全編ろうLGBTQ+をテーマにした本は緒方英秋さんの『私、わたし』という本だけです。本がとても少ないということは、いかにろうLGBTQ+の当事者たちの声が社会に届いていないかということを物語っています。 野村恒平さんは、ろうLGBTQ+の方たちの支援に取り組むなかで、長年寄り添ったパートナーを亡くし、後を追うように亡くなった方や自ら命を絶った方もいるという事実を知って、衝撃を受け、その痛みを受け止め、彼らの声を社会に届けたいという思いをつのらせてきました。戦後や昭和を生き抜いたろうLGBTQ+当事者たちの声は、令和の今、少しずつ消え行きつつある…という現実があります。コロナ禍でさらにその危機感を強く感じ、『ろうLGBTQ+の世界〜15人が語るライフストーリー』の制作を決意したといいます。
『ろうLGBTQ+の世界〜15人が語るライフストーリー』には、あらゆる困難を乗り越え、周縁化されながらも生き抜いてきた15人のライフストーリーが掲載されています。手話の禁止、エイズパニック、阪神大震災、人工内耳、パートナーシップ制度、デフリンピック、オーディズム、ディナーテーブル症候群、自殺、家族崩壊、トランスゲイなど、たくさんのテーマが描かれています。多くは原稿を書く(寄稿)かたちでの参加でしたが、手話でのインタビューを希望する方も3名ほどいらっしゃって、文字起こしに半年かかったそうです。当事者である今井ミカさんが写真を手がけ、2月には全ての原稿と写真が出揃いましたが、資金の関係で製作がストップしてしまい…しかし、なんとか本を世に出したいということで、このクラウドファンディングを行なうことになったのです。
この本はろうLGBTQ+の方たちがどんな困難を乗り越え、どのように生きてきたのか、そしてこれからどう生きていくのかを知ることができる貴重な本になります。この本が世に出ることで、社会全体でろうLGBTQ+の方たちの存在を認め合い、より生きやすい未来を築くための一歩となることでしょう。
ぜひ、下のバナーからクラウドファンディングのページをご覧いただき、ご協力・ご支援をご検討いただければ幸いです。